ソウル市内のワンルーム相場は、コロナ禍を経て変化してきています。今回は、コロナ以前と以後のワンルーム相場の変化を見ていきます。特に地域ごとの相場や大学周辺の相場についてみていきたいと思います。
コロナ前のソウル:上昇し続けるワンルーム家賃
コロナ発生前、ソウルのワンルーム相場は継続的に上昇傾向を見せていました。2020年初め、ソウルの平均的なワンルームの月額家賃は約54万ウォンで、これは多くの若者や会社員にとっても負担となっていました。特に、江南やホンデ(弘大)、梨泰院(イテウォン)など人気エリアでは家賃がさらに高く、住居費の負担を感じる多くの人々にとって大きなストレスとなっていました。
コロナ禍以後のワンルーム相場の変化
新型コロナウイルスが本格的に拡散する中、ソウルのワンルーム相場は急激に変化しました。
2020年2月から2021年2月までのデータによると、ワンルームの相場は約54万ウォンから51万ウォンに減少した一方で、オフィステルやツールームなどの相場は同期間中に69万ウォンから91万ウォンへと激しく上昇しました。
これは、在宅勤務やリモート授業の普及によって通学する必要がなくなり、特に学生達のワンルームの需要が減少したためと思われます。
ソウル地域別ワンルーム相場
ソウルのワンルーム相場は地域によって大きな差が見られます。
2023年4月時点で、ソウルの平均月額家賃は約73万ウォン、平均保証金は約2,118万ウォンと集計されたそうです。
特に、高級住宅が集中する江南(カンナム)区や瑞草(ソンパ)区は依然として高い相場を維持している一方で、九老(グロ)区や衿川(クムチョン)区は比較的安価な水準でした。
このような地域別の相場の差は、各地域のインフラや交通の利便性、そして周辺環境によって異なるため、ワンルームを探す人々はこれらの要素を考慮する必要があります。
大学学生街のワンルーム相場の変化は?
大学学生街のワンルーム相場もコロナ禍以後、大きく変化しました。2023年と2024年のデータを比較すると、平均月額家賃は0.2%増加した一方で、管理費は11%も上昇したそうです。
これは大学街周辺のワンルーム需要が依然として高いことを示しています。特に、新築ワンルームの割合が増加し、それに伴い若者層の居住需要が高まっている点も注目されます。
ソウル主要大学周辺地域の相場の変化
大学街近くのワンルーム家賃は特に高めです。
主要大学周辺地域の相場の変化も見てみましょう。
下の図はソウル主要学生街の<保証金1000万韓国ウォン(約100万円)面積33㎡以下>のワンルーム平均家賃の推移です。
例えば、オレンジ色の線の高麗(コリョ)大学の近くでは平均家賃が月69万ウォンに達しています。濃い紫いろの線の梨花(イデ)大学周辺は一番高く69万ウォンです。この地域は商業施設が取り壊され次々と新築オフィステルが建てられた事によって、家賃が上昇したと考えられます。次に韓国一の学生街新村(シンチョン)エリアの賃貸情報についても見ていきましょう。
ソウル一の学生街「新村」地域のワンルーム賃料
新村はソウルの代表的な大学街で、多くの学生や若い社会人が住んでいる地域です。
ここは交通の便が良く、さまざまな文化・商業施設があるため若者に人気がある地域です。
特に、新村には延世大学や梨花女子大学、西江大学、弘益大学などの有名大学があり、学生たちに多く利用されています。
最近、特に大学周辺の賃料が大きく上昇していますが、新村のワンルーム賃料も2013年から2023年まで一貫して上昇してきました。
出典ザ・スクープその代表例が延世大学の近隣(新村)です。2022年8月、平均家賃が56万2000ウォンだったのに対し、2023年8月には79万ウォンに達し、50.1%上昇しました。
なんと、1年で50.1%も上昇したそうです。
上昇したのは家賃だけではありません。ガスや電気代もコロナ禍前に比べて2倍近く上がったのを感じますし、外食費、食材費、生活用品なども急激に値上がりしました。
新村にはさまざまなタイプのワンルームがあります。価格帯も様々なため、自分の予算に合った部屋を見つけることが重要です。
例えば、新築のロフト型ワンルームは、家賃が月90万ウォンから100万ウォンに達することもあります。これは保証金1000万ウォン程を預ける条件での金額ですから、数か月の短期滞在用で保証金を低くした場合、賃貸料がさらに上がる事も考えられます。
一方で、古いオフィステルやワンルームは月50万ウォンから70万ウォン程度で借りることができます。
新村のワンルーム家賃はこれからどうなるのでしょうか?
多くの専門家が継続的な上昇を予測しています。新村はソウルの中心部に位置しており、交通が便利で、多様な文化施設や生活利便施設が近くにあるため、多くの人々に人気のある地域です。そのため、新村のワンルーム家賃は今後も上がり続ける可能性が高いです。
新村でワンルームを探している場合は、現在の家賃相場をよく把握し、自分の予算に合った部屋を探すことが重要です。
保証金が負担・家賃が負担・契約期間が負担など、ワンルーム契約が難しい場合は、シェアハウス、コシテル、下宿という選択肢もあります。
ライター紹介 Writer introduction
Macchan 女性
韓国在住14年目。ソウル新村(シンチョン)に位置する女性専用シェアハウスDODORE HOUSEを運営しています。また短期可能なコシテルや下宿やシェアハウスをご紹介しています。(ワンルーム、オフィステルは担当しておりません)